前回は食費と節約の話を書いたけれど、今回は照明器具の細かな On/Off にどの程度の意味があるかを探ってみる。
まず、電力料金は電力会社やプラン等によって様々だけど、ここでは 31円/kWh とする。これはつまり、1,000W を 1 時間使い続けたら 31 円掛かりますということを示す。500W なら半額になるし、1,000W でも 2 時間使ったら当然 2 倍になる。
居室の LED のシーリングライトの消費電力を 34W とすると、1 時間あたり 1.1 円。これを一日に何度も部屋に出入りする度に細かくパチパチ On/Off しても、消せるのはせいぜい 1 時間ぐらい(つまりたった 1.1 円の節約)ではないだろうか。
これが蛍光灯なら消費電力は 68W なので、2.2 円の節約。一カ月間続けても、LED なら 33 円、蛍光灯なら 66 円の節約にしかならない。
節約していることに違いはないけれど、毎月の電気料金の振れ幅からすると、この程度では節約できている実感が沸かないと思う。
それでは、消費電力の高い電化製品はどうか。例えば、1,200W のドライヤーや湯沸かし器などの使用時間を、1日あたり 10分→5分 に短縮したとする。それでも、1ヶ月あたり節約できるのは 58 円。
どうも単純に消費電力が高いだけでもダメなようだ。そこで、消費電力が高く長時間使用するエアコンを考えてみる。
運転時の消費電力を平均 500W と考えてみる。毎日平均 2 時間余計に外出するなどしてこれを使わないようにしたとしたら、1ヶ月あたり 968 円節約できる。これでやっと、電力料金としては多少は実感できる数値ではないだろうか。
そんな訳で、無理の無い賢い節約をするためには、消費電力や使用時間がそこそこ長いもので削れるものを削るのが大事だと分かった。細かいスイッチの On/Off では労力の割には節約に繋がりにくい。